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キリストの勝利 ローマ人の物語XIV [塩野七生]

キリストの勝利 ローマ人の物語XIV

キリストの勝利 ローマ人の物語XIV

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/12/27
  • メディア: 単行本


  ローマ人の物語も、今年で14作目になる。1年に1作ということだから、読み始めて13年は経っていることになる。毎年楽しみにしてきたシリーズだ。
  ローマは滅亡への道を歩んでいる。それがキリスト教とどう関わるのか。
  この巻は、コンスタンティヌス帝の死に始まり、コンスタンティウス、ユリアヌス、ヨヴィアヌス、ヴァレンティニアヌス、グラティアヌス、テシオドスと続く時代である。もはやローマは、一人の皇帝では治められなくなっており、ごく短期間の例外を除いて、正帝、副帝の最低2人以上の共同統治体制となっている。首都ローマの重要性も薄れ、皇帝はほとんどローマにおらず、ローマを見ずして死んだ皇帝もいる。
  ローマの皇帝は、次第に専制君主化していくのだが、大帝コンスタンティヌスはキリスト教を統治のための手段として利用しようとする。ローマ市民に選ばれた皇帝であれば、いつでも首をすげ替えられるが、神が選んだ皇帝であれば、人は替えることはできない。コンスタンティヌスは、皇帝の世襲をより強く進めて行きたかったのだが、彼の死後の後継者争いを見ると、必ずしも彼の意図通りには進まなかった。
ローマは、統治の手段として、キリスト教の国教化を推し進め、人々も信仰のためではなく、ほとんどは経済的な理由からキリスト教徒となっていくのである。唯一ユリアヌスが、キリスト教国化への道を踏み止まらせようとするが、在位2年で戦場に倒れてしまい、後の世から背教者の汚名を着せられることになる。
ローマは、ますます暗黒の中世に向かって、直走ることになる。この過程は、「スター・ウォーズ エピソードⅢシスの逆襲」でアナキン・スカイウォーカーがダースベーダーになっていくのに似ている(例えが飛躍し過ぎかも)。次回作も期待したい。


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コメント 1

コンスタンティヌスってローマの黄金時代ジャンw
by (2006-01-03 17:55) 

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