ローマ人の物語〈15〉ローマ世界の終焉 [塩野七生]
ついに「ローマ人の物語」が完結した。私も昨夜眠いのを我慢しながら、最後まで読んだ。15年に渡って、1年に一巻ずつ刊行されてきたこのシリーズ、私も毎年新しい巻が出るのを楽しみにして来た。
15年前はどうだったのかと、自分を振り返って見れば、当然ながら若かった。バブルがちょうど弾けた頃ではなかったか。2番目の男の子が、1歳か2歳の頃だ。その子も、もう高校生だ。
15巻の中で面白かったのは、第2巻のハンニバル戦記と第4巻、第5巻のユリウス・カエサルだ。しかし、後の方の巻も、私のあまり知らないローマを扱っており、実に新鮮に感じた。当初キリスト教を迫害していたローマが、キリスト教を国教化していく過程も、興味深く読んだ。そして、ローマは滅亡への道を歩み始める。
紀元476年ローマ帝国は滅亡した。実にあっけない最期だ。 最後の皇帝、ローマ建国の祖とともに、ローマ帝国の祖の名を持つ、ロムルス・アウグストゥスは、退位させられたのだ。著者は、感慨深く、こう語っている。「ローマ帝国は、こうして滅亡した。蛮族でも攻めて来て激しい攻防戦でもくり広げた末の、壮絶な死ではない。炎上もなければ阿鼻叫喚もなく、ゆえに誰一人気づいた人もいないうちに消え失せたのである。少年皇帝が退位した後にオドケルが代わって帝位に就いたのでもなく、またオドケルが他の誰かを帝位に就かせたのでもなかった。ただ単に、誰一人皇帝にならなかった、だけであったのだ。半世紀前の紀元410年の「ローマ劫掠」当時には帝国中であがった声も、476年にはまったくあがらなかった。」
ローマらしい最期だったかもしれない。何故か、目頭が熱くなった。
いつか、もう一度1巻から読み直す日が来るだろう。また、子供にも読ませたい。
ローマは、鉄器文化で、青銅器文化のギリシャを崩壊させた。
けれど、土木建築文化は受け継いだけれど、民主主義は受けつかなかった。それは、皇帝の独裁政治だから、
ローマ軍は、ハンニバルの反乱でわかるように
奴隷からなる軍隊だった。
ローマの領土が、ヨーロッパ、中東、アフリカまでいたると
軍隊の費用が負担になって崩壊への道をすすむ。
しかし、東ローマは、軍隊だけでなく
宗教で支配しようとしたので、中世まで生き延びることができた。
by (2007-01-26 00:38)
全15巻かあ・・凄い。 ローマもいって見たいところです。
by (2007-01-26 15:36)
すごい、全部読んだんですか?
でも、こういうのって内容に色んな意味で基本があるんですよね~
by nicolas (2007-01-26 17:08)
一年に一冊ずつ出て15冊。気の遠くなる
お話ですが、それを全部お読みになった
マイケルさんはすごい!!尊敬します。
by ミモザ (2007-01-26 20:56)
こんなにたくさんでているのですね。
以前、テレビで関連の番組をやっていたのですが、その時も、とても興味深く観ました。
by nyan (2007-01-26 22:10)
thalerさん
謹んで拝聴します。参考にさせていただきます。
by マイケル (2007-01-26 22:34)
イチローさん
一度に読もうと思ったら大変ですが、1年に1冊ですから。
by マイケル (2007-01-26 22:35)
(´・ω・`)にこちゃんさん
基礎知識がない方が面白いと思います。
by マイケル (2007-01-26 22:36)
なっちのママさん
15年って、長いようで短いです。光陰矢の如し。
by マイケル (2007-01-26 22:36)
nyanさん
並べてみると、凄いですね。
本棚の一列がいっぱいになっています。
by マイケル (2007-01-26 22:39)
う~ん、15冊でレンズ1本買えるなぁ・・・。
by みつなり (2007-01-26 22:49)
文庫派の私はまだまだの道のり。
楽しみに、
最後まで読み続けます。
by (2007-01-27 00:14)
みつなりさん
15冊でもレンズ1本しか買えないんですか?
by マイケル (2007-01-27 07:18)
リンコさん
最後まで読んで下さい。
by マイケル (2007-01-27 07:18)