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司馬遼太郎「街道をゆく32 阿波紀行、紀ノ川流域」とうだつの町並み脇町 [司馬遼太郎]

街道をゆく〈32〉阿波紀行・紀ノ川流域 (朝日文芸文庫)

街道をゆく〈32〉阿波紀行・紀ノ川流域 (朝日文芸文庫)

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞
  • 発売日: 1993/10
  • メディア: 文庫


司馬遼太郎の「阿波紀行」の中で、脇町を以下のように紹介している。

「阿波のよさは、ひょっとすると脇町に尽きるのではないかとかねがね思ってきたが、来るのははじめてである。白壁塗りや土蔵造りの江戸期・明治期の商家が軒をならべているときいたのだが、車を降りたとたんみえたのは、城のように大きい土蔵造りの建物だった。」

豊臣時代、蜂須賀家政が阿波一国をもらったとき、筆頭家老の稲田氏に一万石をあたえ、脇城に居らせた。当時の当主は、稙元で、稙元は古城を大改築して堅牢にするとともに、城下町も栄えさせようとした。
稙元は、町づくりにあたって信長以来の楽市楽座方式をとり、町に来て商業を営む者については、地子銭も諸役も免除した。その結果、讃岐・伊予・土佐だけでなく、はるか山陽道の備前からも商人がやってきた。
呉服商もあつまれば、他の商人も来た。その中で豪商として成長して行ったのは、藍商だった。かれらは、農村から葉藍をあつめ、寝床(藍蔵)といった大きな建造物をつらね、おおぜいの使用人をもち、町の賑わいの中心になった。

大歩危小歩危を後にして、徳島に帰ろうかと思ったが、夕方まで時間が十分あるので、うだつの町脇町に寄る事にした。道の駅「藍ランドうだつ」の駐車場にとめる。そこから歩いてすぐのところに、うだつの町並みがある。


売店
売店では特産品や漬け物を販売。2階の喫茶「藍蔵」では、喫茶メニューのほか阿波尾鶏を使った料理などが味わえる。

売店の前を通り過ぎ、うだつの町並みに向う。


うだつの町の入口


「うだつ名物 そば米雑炊」の看板が出ており、魅かれたが、食事をしたばかりであり、自重した。


うだつの町並み


吉田家住宅(藍商佐直)
吉田直兵衛が寛政四(1792)年に創業した藍商である。屋号は「佐直」。藍商は、藍染めの原料を販売する商人で幕末から明治にかけて大いに繁盛した。佐直は、脇町で一、二の豪商であった。吉田家住宅は、平成11年に脇町指定の有形文化財になった。


裏手


しとみ戸



うだつ
これがうだつである。うだつについては、次回述べる。

うだつの町並み 脇町

(続く)

脇町誌 (1961年)

脇町誌 (1961年)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: )脇町誌編集委員会
  • 発売日: 1961
  • メディア: -


阿波脇町の伝説と探訪編〈上〉 (1985年)

阿波脇町の伝説と探訪編〈上〉 (1985年)

  • 作者: 国見 慶英
  • 出版社/メーカー: )国見慶英
  • 発売日: 1985/05
  • メディア: -


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コメント 6

おはようございます^^
未だにこんな立派な家並が残されているのですね。
見事です。当時の藍商の繁盛振りが目に浮かぶような建物の見事さ。
by (2007-09-20 04:33) 

Baldhead1010

脇町では3年間暮らしました^^
by Baldhead1010 (2007-09-20 08:00) 

マイケル

mimimomoさん
なかなかいいところです。
司馬遼太郎が気に入ったのも、分かります。
by マイケル (2007-09-20 21:49) 

マイケル

Baldhead1010さん
そうですか?
驚きです。
by マイケル (2007-09-20 21:51) 

チャッピィー

おはよう御座います。
素晴らしいの一言ですね・・
日本家屋は繊細で綺麗ですねぇ・・
by チャッピィー (2007-09-21 06:17) 

マイケル

チャッピィーさん
最近こういう歴史的町並みの保存地区があちこち増えています。
by マイケル (2007-09-22 00:36) 

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