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岡山城② 天守閣 [城]

岡山城の中心である本丸は、高い順に本段、表向(中の段)、下の段の3つの段から成っている。ただ単に3つに分かれているのではなく、そこに宇喜多・小早川・池田の3家による築城の歴史の跡が残されている。

不明門をくぐると、本段と呼ばれているところだ。正面に天守閣が聳えている。


岡山城天守閣.jpg
岡山城


現天守は再建天守である。焼失した天守の跡に建っている。焼失した天守閣の礎石のみ右手の方に移設されている。

礎石.jpg
天守の礎石


岡山城は、南北朝時代の正平年間(1346年 - 1369年)に、名和氏の一族上神高直が石山台(岡山)に城を築いたのが最初と伝えられている。

戦国時代の大永年間(1521年 - 1528年)、金光氏が居城とし金川城主の松田氏に仕えていた。

元亀元年(1570年)、宇喜多直家が金光宗高を謀殺しこの地を支配した。直家は備前守護代浦上氏の一族浦上宗景の被官であったが、備前西部を中心に勢力を急速に伸張していた。天正元年(1573年)、直家はそれまでの居城である亀山城(沼城)から石山城に入城し、城の改築と城下町の形成を行った。

直家は北方の山裾にあった西国街道を、城の南に沿うように付け替えて城下に導くとともに、備前福岡、西大寺などから商人を呼び寄せ、城下町の整備を行った。

天正3年(1575年)、主家である浦上宗景の兄・政宗の孫をおしたてて宗景を播磨へ放逐し、備前、美作、さらに播磨、備中の一部を支配下に置いた。

直家の子・秀家は、豊臣政権下で父の遺領をほぼ継承し、57万4千石の大大名となる。天正18年 - 慶長2年(1590年 - 1597年)の8年間にわたる大改修が行われ、近世城郭としての体裁を整えた。秀家は「岡山」に本丸を構え、石山城の本丸を二之丸内郭に、二之丸を西之丸とし、そして内堀を挟んで二之丸、その西に三之丸の郭を整備した。これらは高石垣の積まれた城である。本丸は本段、中の段、下の段に分かれた構造で、本段の北寄りに金箔瓦を使用した壮麗な4重6階の望楼型天守を建てた。そして城を南から取り巻くように西国往来の道筋を変えて、直家時代の城下町を拡大整備し、引き続き領内の有力商人を勧誘して経済活動を発展させた。
こののち城は「岡山城」、城下町は「岡山」の呼称が定着した。

慶長5年(1600年)、関ヶ原の戦いで西軍の主力となった秀家は八丈島に流刑となり、宇喜多家は改易となった。代わって小早川秀秋が備前・美作52万石の領主として入城した。秀秋は本丸中の段を拡幅し、三之丸の外側に15町余の外堀を掘り三之外曲輪の整備をして城下町の拡大を行った。秀秋は2年後の慶長7年(1602年)10月に岡山で急死し、嗣子がなく小早川家は断絶した。

慶長8年、備前28万石は姫路城主池田輝政の次男忠継に与えられたが、幼少(5歳)であったので兄の利隆が「備前監国」として代政した。利隆は「石山」の西端の西之丸を整備した。慶長18年(1613年)に忠継は岡山城に入ったが、慶長20年(1615年)に死去した。

元和元年(1615年)、忠継の弟・忠雄が淡路島より31万5千石で入封した。幕府の格式に見合った城とするため、忠雄は本丸中の段を大幅に北側に拡張し、本段の御殿に加え新たに表書院も設けた。また大手の南門を造り替え、城下の西端を限る用水路の西川を整備するなど、岡山城の縄張りが完成する。

寛永9年、(1632年)忠雄の子・光仲が鳥取へ転封し、入れ代わって鳥取から池田光政が31万5千石で入封した。光政は利隆の子であり、姫路城で生まれたが、父の死後元和元年(1615年)に鳥取城主となっていた。以後、幕末まで光政系池田氏の居城となる。貞享四年(1687年)、光政の子・綱政により14年の歳月をかけて後楽園が造営される。

以上が岡山城をめぐる歴史である。

現在の天守は瓦に桐の紋が使われるなど、秀家当時のイメージで再建されている。


天守閣に登り、岡山の市街を眺める。ちょうど旭川の向こうに後楽園が見える。

鯱鉾.jpg
シャチホコ

後楽園.jpg
後楽園




岡山城




(続く)




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