SSブログ

姫路城その1 [城]

 「姫路」の名前は、「播磨国風土記」まで遡る。難破船から海上に落ちた積荷が14の丘になった。その一つが姫山で、積荷の蚕子(ひめこ)が落ちた丘を日女道丘(ひめじがおか)と呼び、それが姫路の地名になった。
 軍事的に初めて姫山に着目したのは赤松則村(円心)で、南北朝時代の正平元年(1346)になって、二男の赤松貞範(さだのり)が初めて城を築いた。
 姫路の歴史、姫路城の歴史は、追々触れていくが、司馬遼太郎の「播磨灘物語」(主人公は黒田官兵衛)に詳しい。「播磨灘物語」の第一巻は、姫路の歴史と黒田家が姫路に根付くまでの歴史である。なお、司馬遼太郎の祖父福田惣八は姫路郊外の広村の出身で、姫路文学館の別館には司馬遼太郎の作品と生涯をつづった記念室がある。

播磨灘物語〈1〉

播磨灘物語〈1〉

  • 作者: 司馬 遼太郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2004/01
  • メディア: 文庫

 この日、三の丸広場では、マラソン大会が行われていた。それを横目に、天守閣の方に向かう。姫路城に登るのは、これで4回目だ。世界遺産だけあって、外国人の観光客が多い。周りから、英語や韓国語が聞こえてくる。ラテン系の男性と日本人女性のカップル、日本語で会話していた。アメリカ人の団体、黒人男性がやたらとカメラを撮っていた。アジア系の中年の男性に、英語で通訳する女性。その他韓国人の団体等。

 
       三の丸広場から見た天守閣

 入場券を買い入場ゲートをくぐると、「菱の門」が現れる。三の丸と二の丸を区切る境の門である。


       菱の門

 正面には、「いの門」、右手には、「三国堀」が見える。この濠は池田輝政築城のとき、播磨、淡路、備前三カ国から集めた人夫で築いたことからその名がついたと言われる。わずか一千四百平方メートルの濠ながら、戦術的には重要な役割をもっている。敵兵がなだれ込むと、正面「いの門」から本隊が迎え撃ち、西、東の背後から別働隊が出撃し、挟み撃ちにして、この空濠に落とし込むという仕組み。今は水が溜まり、城内の防火用水となっている。


       いの門


       手前三国堀

 姫路城の歴史の続きであるが、再び姫路城が歴史の舞台に登場するのは、秀吉のときである。
 織田信長に中国攻めを命ぜられた羽柴秀吉は、天正5年(1577)黒田孝高に迎えられて播磨入りし、姫路を本営として、播磨を平定する。そして、秀吉は姫路城の築城と同時に姫路の城下町づくりも行う。その後秀吉は、弟の羽柴秀長、木下家定を姫路に配する。
 徳川家康が関が原の戦いに勝つと、戦功により、家康の娘婿池田三左衛門輝政を姫路に封ずる。輝政は、秀吉時代の姫路城を取り壊し、新しい手法で姫路城築城に着手する。完成まで、八年の月日と、延べ二千四百万人という人力をかけた。
 姫路城西の丸は、元和元年(1617)、輝政の後姫路城主になった譜代・本田忠政の時代になってつくられた。西の丸の一番端にある化粧櫓は、忠政嫡男で部屋住みの忠刻に嫁した将軍秀忠の娘、千姫の慰心のため建てられたものである。
 その西の丸に向かう。続きは次回。


       西の丸へ


nice!(7)  コメント(11)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行・地域(旧テーマ)

nice! 7

コメント 11

kaoru

こんばんは。子供の頃から見慣れていた姫路城も
こうやって見させて頂くとまた違った雰囲気で
改めて姫路城の素晴らしさを感ずる事が出来ました。
素敵な写真を有り難うございます。
by kaoru (2006-02-25 19:59) 

マイケル

ありがとうございます。
姫路城は、すばらしいと思います。
お城の中でも別格ですね。
by マイケル (2006-02-25 20:03) 

ピロリン

さすが世界遺産!立派です☆
久々に世界遺産の立派なお城を見ました。
続き楽しみにしています!
by ピロリン (2006-02-25 23:08) 

昨年、足を棒にして天守閣まで昇りました。姫路は素晴らしいお城ですね。
写真もとってもきれいで、姫路に行く前にこのブログの記事を読んでいたら、もっと関心をもって見ることができたのに、残念。

なお、我ブログでルミナリエ&姫路城の旅行記を公開中です。
by (2006-02-25 23:48) 

マイケル

ピロリンさん、コメントありがとうございます。もったいぶって、ごめんなさい。
by マイケル (2006-02-26 00:02) 

マイケル

好(ハオ)くん、訪問&コメントありがとうございます。こちらからも、訪問させていただきます。
by マイケル (2006-02-26 00:05) 

shareki

姫路駅からの真っ直ぐな道を思い出しました。
秀吉の町造りの才能は凄いですねぇ。
by shareki (2006-02-26 00:13) 

マイケル

渋樹さん、コメントありがとうございます。
姫路城は4回目ですが、そのたび新しい発見があります。
by マイケル (2006-02-26 00:17) 

IXY-nob

日本の城郭建築の粋ですね。サクラの季節のお城周りのターゲットとに姫路城も加えて起きます。
by IXY-nob (2006-02-26 08:37) 

マイケル

桜の時は、また格別だと思います。
by マイケル (2006-02-26 09:26) 

姫路城は、美しいですね!
赤松氏と関係のある城だとは知りませんでした。
by (2006-03-03 01:05) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

和歌山城姫路城その2~千姫の物語 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。