吉野の桜⑤ 桜本坊・東西院・吉水神社 [桜]
竹林院を後にして、中千本を金峯山寺蔵王堂に向かって歩いている。
まず、途中桜本坊というお寺にお参りする。由緒ありそうなお寺だった。
山門の仁王像
天智１０年、天智天皇の弟、大海人皇子は吉野離宮日雄殿にて修行されていた。
ある夜、山の中に満開の桜がみごとに咲き誇る夢をみた。
翌朝、目覚め、前方の山を見上げると、冬だというのに夢そのままに一本の桜が美しく堂々と咲いていたのである。
大海人皇子は不思議に思い、役行者の高弟 角乗に夢判断を命じた。
角乗は、役行者を師とし、大峰山で行を積む高徳の僧であった。
角乗は答えた。
「桜の花は日本の花の王です。この夢は殿下が天皇の位につかれるよい知らせでしょう」と。
翌年、壬申の乱に勝利し、大海人皇子は帝位につき、天武天皇となった。
天皇は大変喜び、その桜の下に一寺を建立し、「櫻本坊」と名づけ、角乗を住職に迎えた。
文禄3年（1594年）に行われた豊臣秀吉の花見の際には、関白・秀次の宿舎となった。
もとは金峯山寺の蔵王堂の前に在って密乗院と称していたが、明治初年の神仏分離の際に「桜本坊」と改称された。
大師堂
本堂
この日、寺宝の公開もされていたが、時間がなく、拝観はしなかった。
道々向かいの山腹に見える桜は素晴らしかった。
ちょうど後程訪れる如意輪寺の多宝塔の屋根が見える。
勝手神社のある交差点まで下りると、大変な人混みである。
先ほどの大名行列のせいらしい。
桜の木の向こうに蔵王堂の屋根が見える。
そして、道沿いにある東南院。多宝塔が素晴らしい。
多宝塔
東南院は、金峯山寺の護持院の一つで、修験本宗の別格本山である。金峯山寺の東南に立てられた事から名がついている。役行者の開基と言われている。本尊は、役行者神変大菩薩・不動明王・金剛蔵王大権現である。
寛治六年（1092）には白川上皇が金峯山に参詣された際は、東南院を宿坊としているなど、宿坊としての歴史もある。また、東南院は、木曾の御嶽山とも縁が深く、東南院に入門、修行していた覚明は、修験の奥義を究めた後、一時衰退していたという御嶽山を復興している。
境内右に建つ多宝塔は、江戸初期に建立されたもので、和歌山県海南市の野上八幡にあったもの。しかし、昭和十二年、和歌山の松長定一氏の寄進によって東南院に移築された。普通、党内の柱は丸柱を使いますが、この多宝塔内陣の柱は八角柱で、珍しい例とされている。
塀越しにも、多宝塔の屋根と桜が見える。
蔵王堂までの道は、ひどい渋滞で、お店で筍の天ぷらを買って、食べながら歩いていたが、うっかり地面に落してしまった。もったいなかった。
渋滞を避けて、先に吉水神社を見ることにした。
狛犬
山門
吉水神社は、まさしく世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素となっている。
もとは金峯山寺の僧坊・吉水院で、明治の神仏分離の際に神社となった。後醍醐天皇を主祭神とし、南朝方の忠臣であった楠木正成、吉水院宗信法印を合祀している。
白鳳年間に役行者により建立された。南北朝時代、後醍醐天皇が吉野に潜幸したとき、宗信法印の援護を受けて吉水院に行宮を設け，一時居所とした。後醍醐天皇の死去の後、後村上天皇が後醍醐天皇の像を作って吉水院に奉安した。
明治の神仏分離の際に僧坊・吉水院は廃され、明治8年（1875年）、その跡を後醍醐天皇を祀る神社として吉水神社に改称した。
後醍醐天皇のほか、源義経や豊臣秀吉ゆかりの地でもあり、多くの文化財が所蔵されている。本殿は吉水院であったころの護摩堂である。隣接する書院には、後醍醐天皇の玉間と源義経が潜居したと伝えられる間があり、重要文化財に指定されている。
門をくぐると右手に「一目千本」と書いた看板が目に入る。この名所旧跡の「一目千本」からの景色に豊臣秀吉公は感動し、「絶景じゃ！絶景じゃ！」と大声をあげ、まるで子供のようにはしいだそうだ。
一目千本
まさしく絶景である。
境内
日本住宅建築史上最古の書院に入ってみる。
後醍醐天皇玉座、義経潜居の間、弁慶思案の間がある。
重要文化財、古美術や鎧等、南北朝、源義経、豊臣秀吉にまつわる物が展示されていた。
外に出て、庭を歩くと、桜が咲いており、遠くには蔵王堂を望むことが出来た。
書院
庭の桜
蔵王堂を遠望する
(続く)
まず、途中桜本坊というお寺にお参りする。由緒ありそうなお寺だった。
山門の仁王像
天智１０年、天智天皇の弟、大海人皇子は吉野離宮日雄殿にて修行されていた。
ある夜、山の中に満開の桜がみごとに咲き誇る夢をみた。
翌朝、目覚め、前方の山を見上げると、冬だというのに夢そのままに一本の桜が美しく堂々と咲いていたのである。
大海人皇子は不思議に思い、役行者の高弟 角乗に夢判断を命じた。
角乗は、役行者を師とし、大峰山で行を積む高徳の僧であった。
角乗は答えた。
「桜の花は日本の花の王です。この夢は殿下が天皇の位につかれるよい知らせでしょう」と。
翌年、壬申の乱に勝利し、大海人皇子は帝位につき、天武天皇となった。
天皇は大変喜び、その桜の下に一寺を建立し、「櫻本坊」と名づけ、角乗を住職に迎えた。
文禄3年（1594年）に行われた豊臣秀吉の花見の際には、関白・秀次の宿舎となった。
もとは金峯山寺の蔵王堂の前に在って密乗院と称していたが、明治初年の神仏分離の際に「桜本坊」と改称された。
大師堂
本堂
この日、寺宝の公開もされていたが、時間がなく、拝観はしなかった。
道々向かいの山腹に見える桜は素晴らしかった。
ちょうど後程訪れる如意輪寺の多宝塔の屋根が見える。
勝手神社のある交差点まで下りると、大変な人混みである。
先ほどの大名行列のせいらしい。
桜の木の向こうに蔵王堂の屋根が見える。
そして、道沿いにある東南院。多宝塔が素晴らしい。
多宝塔
東南院は、金峯山寺の護持院の一つで、修験本宗の別格本山である。金峯山寺の東南に立てられた事から名がついている。役行者の開基と言われている。本尊は、役行者神変大菩薩・不動明王・金剛蔵王大権現である。
寛治六年（1092）には白川上皇が金峯山に参詣された際は、東南院を宿坊としているなど、宿坊としての歴史もある。また、東南院は、木曾の御嶽山とも縁が深く、東南院に入門、修行していた覚明は、修験の奥義を究めた後、一時衰退していたという御嶽山を復興している。
境内右に建つ多宝塔は、江戸初期に建立されたもので、和歌山県海南市の野上八幡にあったもの。しかし、昭和十二年、和歌山の松長定一氏の寄進によって東南院に移築された。普通、党内の柱は丸柱を使いますが、この多宝塔内陣の柱は八角柱で、珍しい例とされている。
塀越しにも、多宝塔の屋根と桜が見える。
蔵王堂までの道は、ひどい渋滞で、お店で筍の天ぷらを買って、食べながら歩いていたが、うっかり地面に落してしまった。もったいなかった。
渋滞を避けて、先に吉水神社を見ることにした。
狛犬
山門
吉水神社は、まさしく世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成要素となっている。
もとは金峯山寺の僧坊・吉水院で、明治の神仏分離の際に神社となった。後醍醐天皇を主祭神とし、南朝方の忠臣であった楠木正成、吉水院宗信法印を合祀している。
白鳳年間に役行者により建立された。南北朝時代、後醍醐天皇が吉野に潜幸したとき、宗信法印の援護を受けて吉水院に行宮を設け，一時居所とした。後醍醐天皇の死去の後、後村上天皇が後醍醐天皇の像を作って吉水院に奉安した。
明治の神仏分離の際に僧坊・吉水院は廃され、明治8年（1875年）、その跡を後醍醐天皇を祀る神社として吉水神社に改称した。
後醍醐天皇のほか、源義経や豊臣秀吉ゆかりの地でもあり、多くの文化財が所蔵されている。本殿は吉水院であったころの護摩堂である。隣接する書院には、後醍醐天皇の玉間と源義経が潜居したと伝えられる間があり、重要文化財に指定されている。
門をくぐると右手に「一目千本」と書いた看板が目に入る。この名所旧跡の「一目千本」からの景色に豊臣秀吉公は感動し、「絶景じゃ！絶景じゃ！」と大声をあげ、まるで子供のようにはしいだそうだ。
一目千本
まさしく絶景である。
境内
日本住宅建築史上最古の書院に入ってみる。
後醍醐天皇玉座、義経潜居の間、弁慶思案の間がある。
重要文化財、古美術や鎧等、南北朝、源義経、豊臣秀吉にまつわる物が展示されていた。
外に出て、庭を歩くと、桜が咲いており、遠くには蔵王堂を望むことが出来た。
書院
庭の桜
蔵王堂を遠望する
(続く)
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桜も見事ですが、人も多いですね。心斎橋並みですね。
by SilverMac (2008-04-20 08:54)
きれいな桜ですね。
by 飛騨の忍者 ぼぼ影 (2008-04-20 17:02)
SilverMacさん
凄い人出でした。
by マイケル (2008-04-20 22:41)
飛騨の忍者 ぼぼ影さん
ソメイヨシノと違う趣があります。
by マイケル (2008-04-20 22:43)
ピーク時だけあって、すごい人出ですね～！
吉野のさくら・・・たくさん堪能させていただきました♪＾＾
by kimiko (2008-04-22 12:00)