モディリアーニ展：　歴史の小径：So-net blog

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モディリアーニ展　[アート] [編集]

国立国際美術館で開催されているモディリアーニ展を見に行く。

モジリアーニ.JPG

国立国際美術館は何度も行っているが、その外観は、他の美術館と比べても、ユニークだ。

国立国際美術館2.JPG

アメデオ・モディリアーニ（1884-1920）は、20世紀初頭パリのモンパルナスで活躍、エコール・ド・パリを代表する画家として有名である。モディリアーニは、その創造の源泉として、簡潔で素朴な造形感覚にあふれるアフリカや東南アジアなどの芸術に関心を寄せていた。
この展覧会は、原始美術の影響を色濃く示す初期のカリアティッドの作品群から独自の様式を確立した肖像画にいたるまで、幅広い作品を紹介している。プリミティヴィスム（原始主義）に根ざしたモディリアーニの芸術がいかなる変遷をとげたのかをテーマにしている。
世界中から油彩・素描約150点が集められ、国内では過去最大規模の展覧会である。

まず、モディリアーニの略歴と事蹟を以下に紹介する。

1884年、イタリアのリヴォルノでスペイン系ユダヤ人の一家の息子として生まれる。一家は生まれる直前に破産していたものの、裕福な叔父の援助により経済的に安定していた。
モディリアーニは生まれつき病弱体質で、1900年に肺結核により病気療養の為、フィレンツェ、ヴェネツィア、ナポリ、ローマなど気候の良い土地を巡る旅に出る。この時シエナ派など古典作品群から多大な芸術的影響を受ける。1901年、フィレンツェの裸体美術学校で学び始め、1903年から3年間、ヴェネツィアに滞在、マッキア派や後期印象派、グスタフ・クリムト、エドヴァルド・ムンク、アンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレックなど象徴主義や分離主義などの作品に強く惹かれる。
1906年、パリへと向かう。当時若い画家が数多く居住していたモンマルトルで活動するが、1909年からモンパルナスに拠点を移す。ジャン・コクトー、シャイム・スーティン、モイズ・キスリングなどエコール・ド・パリを代表する芸術家・画家たちや、パブロ・ピカソ、ディエゴ・リベラ、モーリス・ユトリロ、藤田嗣治など同時代を代表する画家と交友する。1909年から1914年まで彫刻家ブランクーシの影響を受け、彫刻家として精力的に活動するも、病弱であったモディリアーニは体力的な面で彫刻活動を断念する。
1914年にベアトリス・ヘースティングスと知り合い、その後、恋愛関係となる。1915年から本格的に絵画の制作活動をおこなう。1917年、画学生であったジャンヌ・エビュテルヌと出会い、深い恋愛関係に落ちる。
晩年期（1919年頃）にようやく画家として評価され始めたものの、結核性髄膜炎により36歳で夭折。恋人ジャンヌ・エビュテルヌも数日後に画家の後を追うように自殺。彼の作品は死後、急速に値段が高騰し、1930年に開催されたヴェネツィア・ビエンナーレでの回顧展で、ようやく20世紀を代表する画家として正当な評価を受けることになった。

ジャンヌ・エビュテルヌの肖像（若い女の肖像）
1917-18年 | 油彩・画布 | 46×29cm | 個人所蔵（パリ）

今回の展覧会では、音声ガイドを500円で借りて、解説を聞きながらの観賞だったので、よく理解できた。

モディリアーニは、特に好きな画家でもなかったが、ちょっと首を傾げたような肖像画に愛着が持てるようになった。

B2で、「塩田千春　精神の呼吸」展示会が同時開催されていた。沢山の靴(メッセージ付き)を赤い紐で結びつけた作品が印象的だった。その他にも、ユニークな作品が展示されていた。