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10年後の佐伯祐三展 [アート]

再び時間を遡る。20年9月27日のこと。大阪市立美術館で開催されていた「没後80年記念 佐伯祐三展」を見に行く。

佐伯祐三は、好きな画家の一人だ。ちょうど10年前、福岡の美術館で「佐伯祐三展」を見た。

その時の図録を取り出して見てみた。生誕100年記念とある。このことから、簡単な方程式が成り立つ。

100+10-X=80 X=100+10-80=30

Xは、佐伯の生きた年数だ。30歳で亡くなったことになる。夭折の画家だ。画家は短命な人が多い。

佐伯祐三展.jpg

大阪市立美術館は、天王寺公園の中にある。

天王寺公園.jpg

天王寺公園は昔路上でカラオケをやったりして賑やかなところだったが、禁止されてから静かになった。

大阪市立美術館.jpg
市立美術館.jpg

美術館の建物もまさしくアートで、前衛的な現代的なアートと、古典的なアートがある。どちらも好きだが、大阪市立美術館は後者である。

まず、佐伯祐三の短い生涯を振り返る。

佐伯は1898年(明治31年)、大阪市・中津の光徳寺という寺に、男4人女3人の兄弟の次男として生まれた。1917年(大正6年)東京の小石川にあった川端画学校に入り、藤島武二に師事する。旧制北野中学を卒業した後、1918年(大正7年)、東京美術学校西洋画科に入学、1923年(大正12年)に同校を卒業した。東京美術学校では、卒業に際し自画像を描いて母校に寄付することがならわしになっており、佐伯の自画像も現存している。

佐伯は、短い画家生活の間、2回パリに滞在し、代表作の多くはパリで描かれている。第1回のパリ渡航は1924年(大正13年)1月から1926年1月までで、約2年の滞在であった。1924年の初夏、佐伯はパリ郊外のオーヴェール・シュル・オワーズに、フォーヴィスムの画家モーリス・ド・ヴラマンクを訪ねた。佐伯は持参した自作『裸婦』を見せたところ、ヴラマンクに「このアカデミックめ!」と一蹴され、強いショックを受けた。この頃から佐伯の画風は変化し始める。この第一次滞仏時の作品の多くはパリの街頭風景を描いたもので、ヴラマンクとともにユトリロの影響が明らかである。佐伯はパリに長く滞在することを望んでいたが、彼の健康を案じた家族らの説得に応じ、1926年にいったん日本へ帰国した。パリでの友人である前田寛治、里見勝蔵、小島善太郎らと「1930年協会」を結成する。

2度目の滞仏はそれから間もない1927年(昭和2年)8月からであり、佐伯はその後ふたたび日本の土を踏むことはなかった。佐伯は旺盛に制作を続けていたが、1928年3月頃より持病の結核が悪化し、精神面でも不安定となった。自殺未遂を経て、セーヌ県立ヴィル・エヴラール精神病院に入院。一切の食事を拒み、同年8月16日、衰弱死した。


私は素人なので、絵の解説はしないが、好きな作品をいくつか紹介する。

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カフェ・レストラン 1928年 大阪市立近代美術館建設準備室蔵

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広告貼り 1927年 石橋財団石橋美術館蔵

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広告(ヴェルダン) 1927年 大原美術館蔵

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郵便配達夫 1928年 大阪市立近代美術館建設準備室蔵

(続く)







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佐伯祐三 絵と生涯―パリに燃えつきた天才画家の芸術 (講談社カルチャーブックス)

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